ブルクミュラー25番練習曲 曲目解説 その3
20・タランテラ
タランテラ とはイタリア、ナポリ地方の民族舞曲で、3/8または6/8拍子のテンポの速い曲です。この曲は6/8拍子で書かれ、序奏から情熱的な性格が表れています。主部のメロディーを伴奏する左手は和音から分散和音へ変化し、長調に転調する中間部を経て、終結部では速さに加えて高い音域での演奏となり、技術的な難しさがいっそう増します。
21・天使の音楽
題名からこの曲の音楽的内容が連想されます。armonioso(和声的に)という指示に加えて両手に分けられて演奏されるアルペジオは、柔軟な手首の動きが要求されます。また、正しいペダル奏法がこの曲の重要な課題となります。楽譜上にペダルの記号はありませんので、個人的な趣味と技術によってペダルの用法決めてください。
22・舟歌
伝統的な「舟歌」の様式に従って作曲されているこの曲は、水の上に揺れ動くゴンドラを想像すれば雰囲気を感じ取ることができるでしょう。全体はゆっくりと、しかしリズミカルに、朗々と歌を歌うように演奏されるなければなりません。ペダルは演奏者の技術に合わせ、響きをよく聞いてつけてください。
23・再会
長く不在だった友人の帰還を迎える喜びと期待にあふれた、活気のある曲です。終始速いテンポで先へ先へと進んでいく感じが、心を沸き立たせます。主部のピアニシモで続く同和音の連打を美しく演奏するには、柔軟な腕の動きが必要になります。気持ちの動きに伴う強弱の変化も大事に演奏しましょう。
24・つばめ
ツバメの飛ぶ姿を表すような、大きな跳躍を伴った手の交差がこの曲の特徴ですが、音楽的な性格は同曲集の「天使の音楽」に似ています。和声の変化を楽しみながら、強弱はあまり劇的になりすぎないように、颯爽と飛ぶツバメを想像し、活気のある演奏をしてください。ペダルは好みによって、軽い雰囲気を壊さないよう少しだけ使用すつと良いでしょう。
25・乗馬
ブルクミュラ-15の練習曲集の最後となるこの曲は、それまでに習得したことのまとめと見ることができます。行進曲風ではありますが、全体的には柔らかな雰囲気を失わないようにしましょう。他の曲とは違い4つの8小節からなる音楽で構成されていて、次から次へと変化する楽想が演奏する人の意欲をかき立てます。終結部を弾ききった時には大きな達成感が得られることでしょう。
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